レンブラントハイスの"Rembrandt, of niet? Oude tekeningen, nieuwe namen"展について

http://www.codart.nl/exhibitions/details/3022/
*本来ならFacebookページに投稿すべきですが、「このまま書き続けると使用停止にするぞ」という脅しがFacebookから入ったので、久しぶりにこちらに投稿します。

#exhibition #Rembrandthuis #オランダ美術史

アムステルダムレンブラントハイスにて、「レンブラント。本物か否か?オールドマスター素描展」が開催される予定。この種の展覧会が開催されるのは日本では確実に不可能。
「日本で確実に開催が不可能」というのは、日本国内における素描芸術展覧会の「需要」を考えると、費用対効果が悪すぎるためです。オランダ国内のみならず、ロンドン(大英博物館)、パリ(フリッツ・ルフト)、ベルリンというヨーロッパの主要な素描コレクションからレンブラントレンブラント派を借用する展覧会であり、なおかつ、17世紀オランダ素描研究の泰斗というべきPeter Schatborn氏の監修によるものであるため、「素描のアトリビューション」を学ぶ機会には確実になると思われます。
ちなみに、Peter Schatborn氏は、17世紀オランダ素描研究で名の知られた方で、長い間アムステルダム国立美術館素描版画室(Rijksprentenkabinet, Rijksmuseum Amsterdam)で、レンブラントレンブラント派の所蔵品目録(1985年、物凄くお世話になった)のほか、数々の素描芸術展を企画された方です。つい最近では、ゲッティー美術館で同様の展覧会を実施されており、レンブラントハイスでのこの展覧会は、その続きというか集大成と言えるでしょう。
注意したいのは、この種の展覧会は、狭義の、実に狭い領域を扱った美術史くさい展覧会であるということです。これを面白いと思うためには、「この素描」が誰の手によるものなのか?という、非常にマニアックな素描コレクター「だけ」が喜ぶ趣味が必要とされてしまいます。そしてそのことは、美術史家全員には共有されない(ある意味で、共有される必要の低い)ことでもあるからです。とはいえ、「へー」と思いながら鑑賞するには面白い、かもしれません。